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彼任せでイケなかった私が、自分から動こうとして、何度も失敗した2ヶ月の話
今まで、セックスのとき、私はずっと「待ってる」側だった。
彼が触ってくれて、彼が動いてくれて、気持ちいい、と思っても、それを、口にできない。
「今日も、イケなかったな」と、心の中で、ため息をつく。でも、彼には「気持ちよかったよ」と、笑って、嘘をつく。
ネットで「イケないのは、自分が動かないから」という記事を見つけた。
読んで、最初に思ったのは、「は? 私、悪くなくない?」だった。彼が、もうちょっと、うまくやってくれたら、私だって、イケるはず。そう、思ってた。
でも、その記事を、何度も、読み返してる自分がいた。
たぶん、図星だったんだと思う。認めたくなかっただけで。
だから、ちょっとずつ、変えてみることにした。2ヶ月、かかった。今でも、うまくいかない日がある。それでも、前より、ましになった、と思う。
最初は、手を伸ばすだけで、精一杯だった
ネットに「挿入中も、自分でクリを触るべき」と書いてあった。
わかってる。わかってるけど、できない。
彼の上で、彼の顔を見ながら、自分の手を、股間に、持っていく。それが、どうしても、恥ずかしかった。「私、イケないから、自分で触ります」って、言ってるみたいで。
結局、最初の一週間は、何もできなかった。
指を、太ももの、ぎりぎりのところまで、持っていく。でも、あと、数センチのところで、手が、止まる。
ある晩、彼が、私の手を、握った。
「触りたいんでしょ。触っていいよ」
彼が、私の手を、そっと、そこまで、導いた。
「自分で触ってる、見たい」
その言葉で、やっと、指が、動かせた。
自分で触りながら、彼の下で、声を、我慢した。恥ずかしくて、彼の顔を、まともに、見られなかった。
でも、確かに、いつもより、気持ちよかった。
「続けて」と、彼が、言った。
「そこじゃない」は、言えなかった
次に、挑戦したのは、コミュニケーション。
ネットには「もっと具体的に伝えるべき」と、あった。
でも、これが、一番、難しかった。
「気持ちいい」は、言える。嘘じゃないから。でも、「そこじゃない」は、言えない。彼を、否定してる気がして。
ある晩、彼の指が、明らかに、ずれてた。私は、心の中で、「違う、もうちょっと上」と、叫んでた。でも、声には、ならなかった。
結局、その夜も、イケなかった。
「今日も、ごめん」
私が、そう言うと、彼は、「お前、いつも、ごめんって言うよな」と、言った。
「イケないの、俺のせいじゃないよ」
「……でも」
「でも、じゃない。お前、本当は、どこがいいか、わかってるんだろ。なんで、言わないの?」
彼は、怒ってるわけじゃなかった。呆れてるわけでもなかった。ただ、不思議そうだった。
「言ったら、嫌われるかと思った」
「嫌われるわけないだろ」
彼は、笑った。
「むしろ、教えてくれた方が、助かる」
次の夜、私は、彼の指が、ずれた時、小さく、「もうちょっと、上」と、言った。
声が、震えた。彼は、一瞬、手を止めて、「ここ?」と、聞いた。
「……うん」
彼は、そこを、重点的に、触ってくれた。私は、彼の腕に、しがみついた。
「言えたじゃん」と、彼が、笑った。
バイブは、聞くまでに、2週間かかった
おもちゃを、セックスに取り入れる。
これが、一番、ハードルが高かった。
「彼が、傷つくかも」と、思って、ずっと、言い出せなかった。私の体で、イケないから、道具に頼る、みたいで。
でも、ネットの「W攻撃」って言葉に、すごく、惹かれてた。
結局、聞くまでに、2週間、かかった。
「あのさ、これ、今日、使ってみない?」
彼は、私が、おそるおそる、見せた、ピンクのバイブを、じっと、見た。
「……お前、こんなの、持ってたんだ」
「うん。一人の時に、たまに」
「ふーん」
彼は、しばらく、バイブを、手で、いじってた。スイッチを、入れたり、消したり。
「いいよ。使ってるとこ、見たい」
その夜、彼に挿入されながら、私は、バイブを、クリに、当てた。
「あ、あぁっ……! なにこれ、やば……」
彼の動きと、バイブの振動が、同時に、来る。頭が、真っ白になる。
彼が、上から、私の顔を、じっと見てた。
「お前、すっごい、エロい顔してる」
「やだ、見ないで……」
「見るよ。すごい、いいよ、それ」
終わったあと、彼が、「今の、また、やろう」と、言った。
でも、その夜、布団の中で、彼が、ぽつりと、言った。
「俺、ちょっと、悔しかった」
「え?」
「お前が、一人で、あれで、イッてるんだ、と思ったら」
彼は、笑った。
「でも、一緒に使うのは、楽しいな」
イッたふりを、やめた日
一番、怖かったのは、これ。
私は、何度も、イッたふりをしてきた。彼が、一生懸命、動いてくれてるのに、イケないのが、申し訳なくて。
ある晩、彼に「イッた?」と、聞かれた。
私は、いつもなら、「うん、イッた」と、言ってた。
でも、その日は、なぜか、言えなかった。
「……ごめん、まだ」
彼は、動きを、止めた。
「……そっか」
沈黙。
彼は、私の上で、しばらく、じっとしてた。
「俺、今まで、お前が、イッたふりしてるの、気づいてた」
「え」
「声、出てるけど、体、全然、違うから。わかるよ」
私は、何も、言えなかった。
「でも、今日、正直に言ってくれたのは、嬉しい」
彼は、私の髪を、撫でた。
「これから、一緒に、探そう。お前が、ちゃんと、イケる場所」
私は、泣いてた。気持ちよくて、じゃなくて、情けなくて。
でも、彼の、その言葉が、すごく、温かかった。
今でも、イケない日は、ある
あれから、2ヶ月。
全部が、うまくいくようになったわけじゃない。
今でも、恥ずかしくて、言えない日は、ある。
イケない日も、ある。
自分で触るのを、まだ、ためらう日も、ある。
でも、前と違うのは、「ごめん」を、言わなくなったこと。
イケなかったら、「今日は、ここが、よかった」と、言えるようになった。
「次は、ここを、もっと」と、言えるようになった。
バイブを、彼の前で、普通に、出せるようになった。
彼は、変わらず、笑ってる。
「お前、前より、エロくなった」と、からかってくる。
むかつくけど、まあ、悪くない。
「イクために、責任を取る」なんて、大げさな言葉は、私には、似合わない。
ただ、「私、ここ、気持ちいい」って、言えるかどうか。
それだけで、セックスは、変わる。
まだ、全部は、言えてないけどね。
